ここが宝庫だ
仏教は、お釈迦様が説かれた教えです。
お釈迦様は、相手に応じて真実の法を、説きながら、
生涯旅を続けられました。
そこで、数多くの教えが、お経として現代にまで伝わっています。
そのお経の中で、親鸞聖人は、仏説無量寿経、仏説観無量寿経、
仏説阿弥陀経の三つのお経こそが、私のために説かれた教えで
あると、教えていただきました。
この三つの経典は、浄土三部経といわれますが、すべてが漢文で
書かれていますので、一般には、その意味が、なかなか理解でき
にくいものです。
そこで、平成8年、この浄土三部経を現代語に意訳した「現代語版」
が作成され、全国の本願寺派寺院に、配布されました。
親鸞聖人を宗祖と仰ぐ浄土真宗は、この浄土三部経こそが、
釈尊の教えの中心で、その中の「お念仏の教え」、
「南無阿弥陀仏」こそが、仏教の根本であり、
お釈迦様から頂いた、最高の宝物だと味わいます。
是非、この「浄土三部経」に
現代語版で直接触れてください。
日常の言葉で、やさしく読めます。
浄土三部経〈現代語版)より
平成8年 本願寺出版社
「大無量寿経」ともいいますが、略して「大経」とも呼ばれます。
この経は王舎城の耆闍崛山において、すぐれた比丘や菩薩たちに対して、
釈尊がひときわ気高く、尊い姿をあらわして説かれたものであり、
諸仏がこの世にお生まれになる目的は、苦悩の衆生に阿弥陀仏の
本願を説いて、救うためであるといわれています。
上下、二巻ありますが、上巻には、法蔵菩薩が発願し、修行して、
阿弥陀仏となられたことが説かれています。
まず、「讃仏偈」には、師の世自在王仏を讃嘆しつつ、みずからの願いを
述べ、ついで諸仏の国土の優劣をみてすぐれたものを選び取り、
それによってたてられた四十八願が説かれますが、なかでも、
すべての衆生を救おうと誓われた第十八願が根本の願です。
さらに兆載永劫にわたる修行のさまが説かれ、
この願と行が成就して阿弥陀仏となられてから十劫を経ていると
いい、その仏徳と浄土のありさまがあらわされています。
下巻には、仏願の成就していることが説かれ、
衆生は阿弥陀仏の名号を聞いて信じ喜び、
念仏して往生が定まると述べ、
さらに浄土に往生した聖者たちの徳が広く説かれます。
次に釈尊は弥勒菩薩に対して、人の世の悪を誡め、
仏智を信じて浄土往生を願うべきであると勧められています。
最後に無上功徳の名号を受持せよと勧め、将来すべての教えが
滅び尽きても、この経だけは留めおかれ、人々を救いつづけると
説いて終わっています。
親鸞聖人は 『 顕浄土真実教行証文類 』に、
「 それ真実の教を顕さば、すなはち
『 大無量寿経 』 これなり 」、また「 如来の本願を説きて経の宗致とす、
すなはち仏の名号をもって経の体とするなり 」 と示され、
如来の本願が説かれ名号のいわれが
あらわされた真実の教えであるといわれています。
仏説無量寿経こそが、浄土真宗の根本聖典です。
ここでは、その全文を現代語で掲載しています。
時間をかけてゆっくりと
ご覧ください。
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「無量寿仏観経」ともいい、略して「観経」とも呼ばれます。
親鸞聖人は、釈尊の本意は、他力念仏の一行を勧めることにあると見られました。
略して「小経」とも呼ばれます。
一心に念仏して多くの功徳をそなえようとする自力念仏の教えを
説くもののように見えますが、
親鸞聖人は、「観経」の本意がさまざまな観法や諸善を廃して
他力念仏を説くことにあると見られたように、
この「小経」も他力念仏を説くことにあると見られました。
この内容を転用する場合は、本願寺出版社の了解が必要です。
掲載者 藤本誠