第399回 目を見ない 声をかけない

      平成12年 9月14日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

前回、「るんびに太鼓」のお話しを少ししましたが、
指導者のご住職・藤大慶さんは、情緒障害児の
短期治療施設「るんびに学園」を、京都府の綾部市に
新しく作りはじめておられます。


先日、ご出身の福岡県杷木町の西宗寺で、
その趣意書をいただきました。


子供のために心理療育センターを作る趣意書に
こんなことが書かれていました。



『20年程前、NHKのテレビで、大阪大学人間科学部の
実験が放映されました。


生まれて間もないサルの赤ちゃんを親ザルから引き離し、
個室で人間が飼育するのです。


その際、決して目を見ない、抱き締めない、声をかけない、
笑顔を見せないで、ただ機械的にエサを与えるのです。


子ザルは、じっと座っていることが多くなります。

やがて、心身症の一つチック症状が出てきます。


このようにして育てた数頭の子ザルを広場に集めてみると、
一緒に遊ぶこともなく、ただじっとしているだけです。


この真ん中にバナナを投げ込んだら、子ザル達は一斉に
飛びつき、血みどろになってバナナを奪い合いました。


発情期を迎えても、なかなかカップルが出来ない。
たまたま妊娠しても出産した母ザルが、子供を
育てるすべを知らず、自分の手で殺してしまった
悲惨なその姿は、今でも忘れられません。


この実験は、教育を考える以前の「幼児期」の
家庭環境の重要さを私たちに訴えています。

人間の場合、多様化した社会に巣立つために、
更に「幼少期」の家庭環境も重要になります。
様々な生き方・考え方に出会い、それを取捨選択し、
自分の生き方を確立するための重要な判断基準に
なるからです。


近年、悲惨な事件や社会不適応型問題行動は
実に様々です。


そのほとんどは、人間として情緒心を育む幼児期・
幼少期の家庭環境に、原因が大半であるようです。 』

書かれています。


動物実験ではありますが、生まれて間もない
赤ちゃんを親から引き離し、決して目を見ない、
抱き締めない、声をかけない、笑顔を見せないで、
ただ機械的にエサを与えるだけ、どころなく思い当たる
ところもあります。


 阿弥陀如来様は、南无阿弥陀仏の言葉の仏様、
自分で称え自分で聞く、いつも私と一緒にここにいて
いただく仏さまです。赤ちゃんの時の揺り籠から、
お浄土まで、南无阿弥陀仏を聞かせていただきたく
毎日でありたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月21日に新しい内容に変わります。   


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