第1187回 こころを休める

 平成27年 10月29日〜

 私たちは、受験競争や職場内での競争、さらには、会社同士の競争など、

小さいころから「競争社会」 の中で生きており、なかなか こころの
休まる ときのないのが実情です。

しかも、勉強や仕事スポーツばかりではなく、日常の生活においても、
無意識のうちに競争意識を 働かせて暮らしています。


  たとえば、「もっときれいに」「もっと健康に」「もっとスマートに」
「もっとおいしく」 などと、日々シャワーのごとく浴びせられる宣伝に

よって、私たちは他人への競争心をたえず煽られつづけて生きています。
これでは、なおのこと、こころが休まる間がありません。

学校でも、職場でも、日常生活でも、競争に身を削り、こころを削られて
いるとしたら、宗教やヒーリングなど何かで 精神的な安らぎを
得たいとする 欲求が高まるのは当然でしょう。

本来なら、長時間心身を休める時間を持つのがよいのでしょうが、時間に

追われて生活している 現代人にとっては難しいことかもしれません。

  そこで、なんとか機会を見つけ、せめて五分や十分でよいから 競争に
追われる生活を一度断ち切る勇気を持ちたいものです。

いったん世の中の動きと少し離れて、こころを休めてみる。

できれば緑の多い公園や野山など自然を感じられる風景を目にすると、
なおこころが休まると思います。

環境を変えられなくても、できることはあります。

私は どこにいるときでも、手を合わせて静かにお念仏を称える
時間を大切にしています。動き回りたがる手を止めて合掌し 繰り返し
み仏の名を呼ぶことで、せわしない時間の流れから少しだけ身をずらす
ことができるのです。 

       株式会社PHP研究所発行 「人生は価値ある一瞬」より


         


           私も一言(伝言板)