アメリカの強さ
アメリカは強い。何が強いか。他の国々を圧倒してあまりある、その強力きわまりない軍事力である。それではアメリカの軍事力を支えるものは何か。それは、よく知られているように最新の兵器である。最新兵器は、強烈な爆発力と殺傷力を持った爆弾やら、核兵器、それらを飛ばす、ミサイル、飛行機、潜水艦、戦車、大砲、その他諸々の兵器群によって構成される。なかでもIT(Imformation
Technology)を駆使した精密兵器は他国を圧倒する軍事力の源泉である。
では、それらの兵器を生み出す力は何なのか。それはアメリカの工業技術にあり、それを支える諸々の科学技術、さらには、天文学、物理学、化学、医学、生物学、さらには数学、論理学基礎的な諸科学にある。
では、それを支えているものは何か。それは、アメリカの人材育成や研究者の確保に対する莫大な投資である。優秀な人材を育て登用する環境を整えて自ら分厚い人材層を形成すると同時に、アメリカの好適な研究環境で活動することを望んでいる世界中の優秀な人たちを迎え入れる体制を整えているからである。
子供の頃、「アメリカが強いのは地下資源が豊富だから」と教わった。しかしこれが嘘であることがはっきりした。ITによる経済成長はアメリカの持つ豊富な地下資源との関係などほとんどない。石油や鉄鉱石などの莫大な地下資源を持ちながら、開発途上状態から抜け出せない国々が山ほどあること、一方、大した地下資源もなく、国土も狭く、人口も少ないオランダやイギリスの過去の栄光を考えれば、国家の強さを規定するものは、国の面積でも、人口でも、地下資源の豊かさでもないことは明らかではないか。国家の強さを規定するものは「教育」である。明治維新の指導者達がまず「教育立国」を目指したことを思い出すべきである。