「日本版文化大革命」・・・「恥の文化」から「恥知らず」の文化へ

　先日、百円ショップの前を通りかかったら、「万引きは立派な犯罪です。云々」という掲示が目についた。他のところでも同様な掲示を見たような気がする。それを見て筆者はなんだか妙な気分になった。筆者の常識では、わざわざ「万引きは、立派な犯罪です」と警告するまでもなく、人の物を盗む行為は犯罪に決まっているのである。推測するに、最近の若者の間では、あらためて警告しなければ万引きが犯罪であるということすら知らないというか分からない者が増えているのであろう。筆者には全く了解不能である。
　筆者が幼い頃、祖父母から、どんなに安いものでも人の物を盗れば「泥棒」であり「警察に引っ張られ」「前科が戸籍に残り」「その者の人生は終わってしまう」と教わった。前科が戸籍に記載されるというのは事実に反するらしいが、盗みの現場を押さえられれば、そのとたんに人生の終わりが来ると筆者は今現在でも思っている。思うに、我々のような名もなく貧しい庶民にとっての唯一の誇りは「警察のお世話になったことがない」ということ位のはずである。筆者は、そのことを耳にタコができるほど祖父母から聴かされた。
　親が戦中派である世代までは徹底的に「恥の文化」を教え込まれた。曰く「恥ずかしくて世間に顔向けが出来ない」曰く「恥ずかしくて夜逃げしなければならなくなる」曰く「恥をさらしながら生きていくくらいなら死んだ方がましだ」などなど。しかし、「戦争を知らない子供達」などという歌を歌っていた世代以降にはこの様な考えはなくなったらしい。他の人権にくらべて、やたらに突出したプライバシー権によって、犯罪者の人権のみが無限に擁護される。社会の鏡である子供達の現状はといえば、学校、特に公立学校は荒れ放題。不良が「ゆとり」を活用し、大手を振って「自主的に」授業を妨害し、「主体的に」便所を壊したり窓ガラスを割ったりする。左翼先生も「ガリ勉」はいけません、人格が大事です、などといって勉強を教えようとしない。高校生が大人を押しのけて電車に乗り込み座席に座りる。席がなければ、地べたにへたり込む。車内にゴミを散乱させ、平然として電車を降りる。ズボンはパンツが見えるほどずり下げ、スカートは、これまた下着が見えるほどたくし上げる。ピアス、茶髪は当たり前。人に迷惑をかけても何とも思わない代わりに自分の我が儘が通らないと拗ねたりグレたり暴れたりする。努力もしないで他人の成功を妬み、自己の権利を無限に主張し、他人の足を踏みつけても何ともなく、抗議などされようものならかえって相手を非難する。非常識な行いを注意されると逆恨みして、平気で殴ったり殺したりする。万引きなどは通常行為。何をやっても名前も出ない。悪ガキどものなかには、刑罰がなきに等しい未成年の内に凶悪犯罪をしておこうなどというとんでもないヤツがいる始末である。
　戦後生まれの恥知らず野郎とそのガキどもが今日本を内部から崩壊させようとしている。まさに「恥の文化」から「恥知らずの文化」への文化大革命である。勿論、ご本家の文化大革命と同じく左翼のお偉いさん達がそれを推進していることはいうまでもない。

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