成績が悪いのは「勉強」しなかったから?

 よく、「自分の成績が悪く大した学校にも行けなかったのは、あの時ちゃんと勉強しなかったからだ」という言葉を耳にする。あるいはそうなのかも知れない。特に一昔前までは勉強しようにも家庭的な事情や社会的・経済的理由などで進学を断念せざるを得ない人々が多くいたことも事実である。
 しかし、そのような場合を除き、自分が勉強する気が湧かなかった人の上のような発言に対しては、筆者は疑問を抱かざるを得ない。たとえば筆者は、子供の頃、多の友人たちが熱心に取り組んでいた野球やバスケットボールなどの球技はもとより様々な運動の練習をあまりというか殆どしなかった。それらが嫌いであったからだ。では、それはなぜかといえば、筆者が生来世間で言うところの「運動神経が鈍い」子供であり運動音痴であったからである。ここで強調したいのは、練習しなかったから運動が苦手になったのではなく、運動神経が鈍いから練習しなかったのである。これは世間一般に見られる現象である。音楽的能力の低いものは音楽の練習が嫌いである。ピアノの才能のないものはピアノの練習が嫌いであり結局ピアノのレッスンを止めることになるのが普通ではなかろうか。
 勉強もこれと同じで、「頭の悪い」人は勉強してもちっとも理解できないので当然のように勉強が嫌いになり勉強から遠ざかる。その結果として学業成績は不振となるのである。



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