第545回 ご先祖の願い
 

 平成15年 7月3日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

こんな文章に出会いました。

平成3年に若くして往生された、長崎県の布教使、
七里隆章さんの文章です。


 『 こんな数字をご存じでしょうか。10億7374万1824人。
これはお隣の中国の人口ではありません。
この数字は、私の代から数えて、三十代さかのぼった、
ご先祖の数であります。


私には父と母があります。その父にも父と母があり、
私の母にも父と母があります。このようにして、三十代前まで
さかのぼっていきますと、10億7374万1824人になるのであります。


これを、五十代前までさかのぼりますと、18兆150億人になります。
さかのぼれば、さかのぼる程、ご先祖の数が増えます。


その三角形の一番下にいるのが、この私です。 
「ご先祖は大切にするものだ」という言葉をよく聞きます。
これは確かに大事な事でありますが、この私という人間を
抜きにしては、考えられないのであります。


本当にご先祖を大事にするというのは、どういう事でしょうか。(略)

もし私のご先祖が人間でなく牛だったら、私は牛に生まれます。
父母が豚だったら、私も豚であります。生まれて何年も経たない
うちにステーキやトンカツになるか、ハムやソーセージになって
いたでしょう。私の父母・ご先祖が、人間であったればこそ、
こうしてわたしも人間にうまれているのであります。


 畜生には仏様の話が解りませんが、人間には仏法を聞き分ける
シカケがあります。
私の父母が人間であったから、私にもこの仏法を聞き分ける
シカケがあります。
だから、このシカケは、父母・ご先祖から頂いたものであります。
ご先祖から頂いたこのシカケを腐らせますと、ご先祖は大変
悲しみます。

このシカケにエンジンのスイッチをいれて、仏法を聞きますと、
ご先祖は大変喜びます。


お墓にはよく参りますが、お寺にはさっぱり詣らないという
人がおります。
お墓だけ参って、仏法を聞くことを忘れがちな時、ご先祖は
深く悲しみます。


お墓に参る心がけは勿論大切な事であります
でも、お墓に参りました貴方に、ご先祖が心の底から願っている
事があります。
それは、貴方がご先祖から戴いておる仏法を聞き分ける
シカケにスイッチを入れて、馬力を上げて欲しいという事で
あります。(略)


 貴方がご法事で仏様のお話を聞いたり、再々お寺に
お詣りして仏法にジーット耳を傾けたり、毎週このこころの電話を
聞いたりして、心豊かに真実の道を歩もうとする時、
10億七千万人のご先祖が、いや、それ以上のご先祖は
貴方のこの姿を見て、大いに喜ばれるのであります。

これが、ご先祖を大切にする道であります。』


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、7月10日に新しい内容に変わります。

法話集・こころの黒板   平成8年探求社発行   七里隆章著より


          

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