第521回 マイナスもお蔭さま

平成14年 1月 16日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

浄土真宗のお寺に掲示する標語をまとめた本ができました。
原稿の依頼を受けて、幾つか掲載してもらいましたが、
その中に、
「プラスだけじゃない マイナスもある お蔭さま」と
いうものを掲載していただきました。


 ーーーー私たちは都合の良いこと、嬉しいことが
起こると「お蔭さまで」と喜んでいます。
しかし、都合の悪い困ったことが起こってしまうと、
「お蔭さまで」とは、なかなか言えません。


自分にとって都合の良いことが起こっても、
悪いことが起こっても、すべての出来事を素直に
受け入れて、逃げずに立ち向かって行くと、そこに、
生きがいある人生が現れてくるものです。

南无阿弥陀仏のお念仏を口にするとき、
マイナスと思えたことも、困って悩んでいることも、
苦しんでいることもやがて転じられ、私にとって
意味のある重要な出来事だったと言える世界が
開けてくるものです。


私の人生に無駄なことは、何一つなかったと、
喜べる豊かな人生が味わえてきます。
マイナスもおかげさま、プラスもお蔭さま。


ただマイナスの都合の悪い出来事の方が、
この私を大きく飛躍させる偉大な働きが、
あるようです。ーーー

という文章でした。


ところで、ご正忌報恩講で御伝鈔を拝読し、
参詣のみなさんには、現代語訳をお配り
しましたが、その現代語訳に、こんなところが
ありました。 


上巻の第三段、「六角夢想」のところです。

「もともと法然上人が、もし流罪に処せられ
なかったなら、私もまた流罪にあって流刑地に
赴くことがあったでしょうか。


もし私が流刑地に行かなかったなら、どうして
片田舎の人々を教化できたでしょうか。


これもなお師の教えの御恩です。

法然上人は勢至菩薩の化身であり、聖徳太子は
また観音菩薩の垂迹です。・・・」

という部分です。


どんなに辛い出来事も、ちゃんと意味あるものに
なるのだと、味わわせていただきました。
都合の良いことだけを望まず、お念仏と一緒に
力強くいきていきたいものです。


妙念寺電話サービスお電話有り難うございました。
次回は、1月23日に新しい内容に変わります。

 

          

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