第507回 こころの健康のために

 平成14年 10月10日〜

妙念寺電話サービス、お電話ありがとうございました。

毎月ご門徒の家庭を訪問する「月忌参り」の途中で、
医師会の前を通りながらこんなことを思いました。


お医者さんも家庭訪問する往診をされますが、
宗教と医学と共通点があるのではないかと。


医学は、身体や心の健康を取り戻すための努力ですが、
宗教というのはどんな役目があるのだろうと、思いました。


医学は、痛いとか苦しいという症状が現れてから処置を
始めることが多いものの、宗教はことによると予防医学に
近いのではないのか。
心の予防医学、精神的な安定をはかる働きが
あるのではないかと、感じました。


 ある方が、お説教を聞いていると悩み苦しみを
取り除くとおっしゃるが、自分にはそうした悩み
苦しみが感じられないとおっしゃいました。
社会は不景気といいながらも、子供の頃に比べれば、
有り難いことばかりで、文句などいっておれません
とのことです。


宗教が心の治療をするとしても、自覚症状のない人には、
なかなか自分のためとは、受け取られないようです。

そのうち、年を取ったらお世話になりますというのは、
健康な人が病院や医者と、縁遠いようなものでは
ないかとも思いました。


 福岡のご住職で病院訪問のボランテアをして
おられる方から、こんなことを聞きました。

身体の痛みがあり、注射を打っても薬を飲んでも、
なかなか痛みが治まらないお年寄りがあったそうです。


病院の依頼で、その方を訪問、お話しを聞こうとしても、
最初はなかなか打ち解けてもらえませんでした。
やがて日頃感じておられる病院への不満から、
若いころの思い出まで、思いっきりお話しをされたそうです。

それから数日後病院から連絡があり、痛み止めが
効きはじめたということです。


ストレスがあると、薬の効き方が悪く、ストレスが
解消されると効果が出てくるのでしょうねと、
お医者さんも精神的なものが、身体へ大きく
影響することに驚いておられたとのことです。


宗教は、心と身体の健康に役立つ要素が充分に
あるものだろうと思います。


そして、お念仏の教えは、阿弥陀さまがいつも
私と共にここにいて、将来の心配は何もない。
必ず浄土へ生まれさせ救い取る。
将来だけではなく、お前の過去も現在もすべて
知っている。

悩みも苦しみも、努力したことも苦労したことも、
辛抱していることも、一つ残らずみんな知っているから、
大丈夫だ安心して、力一杯自信をもって、迷わずに
歩んで行きなさいと呼びかけておられるのです。


それに気づかない私たちに、お念仏を与え、
ここにいるぞ、一緒に居るぞと教えていただいて
いるのだと感じます。


南无阿弥陀仏を口にし、耳に聞きながらよき理解者、
阿弥陀さまと一緒の心豊かな生活を送らせて頂きたい
ものです。


妙念寺電話サービスお電話有り難うございました。
次回は、10月17日に新しい内容に変わります。



         

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