第414回 宝 海

  平成 12年 12月 28日〜

妙念寺電話サービスです。お電話ありがとうございました。

今年も残り少なくなりました。

平成13年がそこまでやって来ています。
さて、平成13年の年賀状は、宝海、宝の海と書き、
宝海と差し上げました。


なじみの正信偈には、帰入功徳大宝海とあります。
ほとけのみ名に帰してこそ、浄土の聖衆(ひと)の
かずに入れと意訳されています。天親菩薩さまは、
説かれています。


名号のいわれを信じ、本願力回向の功徳の大宝海に
帰入すれば、必ずこの世において、浄土の菩薩方の
仲間にはいるであろうと、訳されています。


宝海とは、南无阿弥陀仏の名号による救いの世界の
ことで、あらゆる善徳に満ちているので、宝の海に
たとえられています。



 また親鸞聖人は、ご和讃の中に、本願力にあひねれば、
むなしくすぐるひとぞなき、功徳の宝海みちみちて、
煩悩の濁水へだてなし、とうたわれています。


阿弥陀如来の本願力を信ずる人は、たといどのような
ことがあっても、生死をむなしく流転するようなことは
ありません。


それどころか、名号の功徳がその身にみちみちますので、
煩悩はそのまま功徳の体となって、仏にもひとしい
菩薩のさとりをひらかせてもらうのであります。


と読んでいただいています。


親鸞聖人は、如来の大慈悲の広大にしてはてしないことを
大きな海にたとえて、その本願を信ずることのできた
喜びがみちあふれて、名号を宝の海といただかれたものです。


親鸞聖人は、如来の功徳を宝海とお書きいただくほかに、
本願海とも、大心海とも、また智願海水ともあるいは
功徳宝海ともお説きいただいています。


如来の計り知れない無限の智慧と雄大な心情、
そしておしみなく包み込む包容性とを教えて
いただいています。


新しい年を迎えますが、この一年を力づよく喜びのうちに
生かさせていただきたいものです。


妙念寺電話サービス、次回は、1月4日に
新しい内容に変わります。




          

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