今を生きる


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
寒さの季節、高校や大学を受験する人びとには、
つらい毎日と思います。
受験生は勿論、そのご家族も落ちつかない苦しい
長い冬のことでしょう。
今、この時期に努力しないと希望の学校に入れない、
あれもこれも必要と出題が予想されるところを勉強
するのは大変なことだと思います。
ところで、この受験生と同じような苦しい生活を続けて
いる方が、私たちの周りには、意外と多いものです。
健康の為には、あれも必要これも必要、あれをしては
いけないこれをしてはいけないと、受験生のように、
いつも努力し苦労して心やすまることのない方がいます。
方角が良くない、日がよくない、運勢が良くない、
心配だ困ったと、落ちつかない苦しい毎日を送って
おいでの方もあるものです。 

  
浄土真宗のお念仏の人は、こうした迷信に
心奪われる事なく、お念仏とともに地面に足を
つけた堅実な毎日を過ごすことができますが、
世間では不安をあおることで、その存在を
示そうとする教えが多いもの。
そのため将来のためだけに生き、今を忘れ、
今を空しくしてしまっている方がいます。
お念仏の人は、今このときを大事に、今自分で
やるべきことを、やれることを精一杯努力する。
そして、その結果がどうであるかを恐れず、
力いっぱい今を生きること、それが念仏に
生きる人の生活だと思います。
お念仏の人は、今すでに仏の仲間、やがて
お浄土に生まれ、仏のさとりをいただくのですから、
浄土に生まれるための努力ではなく、今この時に
大事なことを精一杯やること、それが、お念仏に
生きることだと味わいます。
お浄土は、将来の未来の世界だけではなく、
過去の世も、現在の世も、未来にも、どの時間にも
かかわり、はたらく常住の世界、その内容は
真実の世界であり永遠の世界です。
 お浄土は遠い将来だけの世界ではなく、
今も働く世界、ですからお念仏の人は
将来のために生きるのではなく、今を精一杯
力強く生きることのできる力を与えていただくのです。

すべての人を平等にもれなく救う阿弥陀如来の
願いに沿って、今この時を力強く生きさせて
いただけるのが、南無阿弥陀仏の
お念仏の生活です。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、1月27日に新しい内容に変わります。
 
                 ( 平成 12年 1月 20日〜 第365回 )
                    

本願寺・りビング法話へ