築地本願寺の若者


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西本願寺派の東京の別院は、築地市場のすぐ隣にある

築地本願寺です。


この連休ごろから、この築地本願寺の映像が

何度も何度もテレビで中継されていました。


若者たちに人気があった音楽グループ、Xジャパンで

ギターを引いていたhideという青年の

葬儀が行われたためです。


インド様風建築である独特な本堂の前の石段には、

若者たちが、次々に捧げた花束がいっぱいに飾られていました。

イギリスのダイアナ妃の葬儀の模様を思い出させる情景です。

築地本願寺を取り巻くように、じっと並んで花を捧げる順番を

待っている若者にインタビューすると、亡くなった青年音楽家の

ヒデさんが作った曲に、「 私は生きて行く希望や勇気を与えられた 」、

ヒデさんがコンサートで勧めた骨髄バンクに加入する運動を

引き継いで、いきたい。


などと、若者たちの悲しむ姿とともに、

恵まれない人のために尽くした一人の音楽家をしのぶ

多くの若者の姿が映し出されていました。    


 

このXジャパンの曲は、若者だけを励ますのかと思っていましたら、

あるお母さんは、自分も子供とともに聞いていたら、とても好きになり、

疲れて帰って来てXジャパンの曲を聞くと疲れも取れるし、勇気が

出てくるので好きだと、おっしゃる方に出会いました。


音楽を聞くことで、勇気や希望が与えられるのは、

若者だけではなく人間に共通するもののようです。

そして歌詞の内容は、あなたの悩み苦しみはよく分かる、

君の淋しさもちゃんと知っている。


ともに、この人生を力強く乗り越えていこうというような

内容のようです。

よく考えてみると、こうした言葉は、仏教のお経の内容に

非常に近いのではないかと感じます。


築地本願寺の映像を中継で見ていて感じたことは、

もともと人間の生きる意味合いや喜びを感じさせるものが、

仏教であったはずです。

ところが、現代は仏教の本当に伝えたいことが見えなくなって、

儀式のためのお経のように見られるようになって来ました。


一昔前までは、お念仏の教えに、人間として生きて来た意味を、

人間としての喜びを、人間としてやるべきことを

気づかせていただいたのでしょうが、今は、それが音楽に

置き換えられてしまったようです。


先輩たちが命を懸けて守り伝えていただいた、

お念仏の教えは、本当は何を伝えようとされたのか、

頭で考えるだけでなく、実践して、味わって見たいものです。 


 
 

そして、hideさんが骨髄バンクを推し進めたことを

皆が忘れないように、この私も自分のためだけでなく、

自分で出来る小さなことから実行し実践していきたいものです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

次回は、5月21日に新しい内容に変わります。

           

                    ( 平成10年 5月14日〜 第277回 )