妙好人の共通点
 
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
親鸞聖人は、お念仏を喜び、豊かなお念仏の生活をする人を、
善導大師のお言葉である、
 
希有人、最勝人、妙好人、好人、上上人、真仏弟子などと
書き残していただいています。
 
その中でも、妙好人という言葉は、よく知られています。
 
妙念寺の妙、妙なるという字に、好ましい人と書きます。
江戸時代から、この妙好人の記録がたくさん残されていますが、
50年間この妙好人を研究しておいでの楠キョウ先生から、
こんな話を聞きました。
 
 妙好人の方々に共通することが、いくつかあると言いわれます。
 
その一つは、生命を尊重する気持ちが非常に強いこと。
 
第二に、謙虚である。その謙虚さは人間にだけではなく、
すべてのものに対して謙虚であること。
 
第三に、自分を詳察するというか、自分を振り返ること、
言い換えると求道心と言ってもいいと思いますが、
それが非常に強く、また10年20年と持続し、
やがて、これだと言うものを皆さんつかんでおられること。
 
第四に、すべてのものについて、恩を感じている、
感謝する気持ちが強い。
 
という共通点が妙好人にはあると言われます。
 
 
また、毎日毎日、新しい発見をして、
普通の人からすれば何でもないことに、目を向け、
喜んでいらっしゃることが多い。
 
例えば、急に夕立に出会い、ずぶ濡れになってしまっても、
慰める人に対して、イヤイヤ鼻が下向きに付いていて、
良かった良かったと、喜びの言葉をおっしゃったり、
 
どんな辛いことでも、嫌なことでも、
今日が、し始めのし収めである、二度と、し直しはできないと、
嫌であるとか嘆いたり、決してしない。
 
また、こんなことは、つまらないことと飽きがきて
粗末になりがちなことも、毎回毎回精一杯全力で
立ち向かっておられることです。
 
一回一回、一刻一刻を大事にしての生活、
そっこん、只今が大事である。
 
今この瞬間を粗末にしないで、大事にしての生活であります。
明日も明後日もあると、迂闊に時を過ごさずに、その瞬間を
精一杯生きておられます。
 
こうした妙好人の生活と、私どもの生活とを比べてみると、
どうも私たちは、味わいの薄い毎日を送っているようにも思えます。
 
二度と帰らないこの瞬間この瞬間を、お念仏とともに、
新たな発見をして、喜びの多い、味わい深い毎日を、
精一杯送らせていただきたいものです。
妙念寺電話サービス、お電話ありがとうございました。
次回は、2月5日に新しい内容に変わります。
 
                         ( 平成10年 1月 29日〜 第262回 )