慶 喜
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
平成10年新しい年を迎えました。
今年は、蓮如上人の500回遠忌を迎える
意義ある年です。
皆さんに差し上げました年賀状には、
慶喜ということを書かせていただきました。
慶喜とは、慶応大学の慶に、喜ぶの喜、
正信偈には、獲信見敬大慶喜とか、慶喜一念相応後とか、
親鸞聖人は、この慶喜という言葉を、数多く書き残していただいています。
日曜日の大河ドラマ今年は、江戸幕府、
最後の将軍、徳川慶喜(よしのぶ)を一年間、
放送するようですが、この徳川慶喜の慶喜とこの慶喜とは
同じ字を書きますが、名前の由来など直接の関係はないようです。
ところで、親鸞聖人は、
「 唯心鈔文意 」 という、浄土真宗の法義を
より明らかにされた書き物に、
次のように書いていただいています。
「 この信心をうるを慶喜といふなり。
慶喜する人は、諸仏と等としき人となづく。
慶は、よろこぶといふ、信心を得てのちに、よろこぶなり。
喜は、こころのうちに、よろこぶこころ絶えずして、
常なるをいふ、うべきことを得てのちに、
身にも心にも喜ぶこころなり。
信心を得たる人をば、芬陀利華とのたまえり 」
と書かれています。
正信偈の現代語訳では、
「 信心よろこび うやまえば、
迷いの道は 断ち切られ 」 とか
「 誓いの海に 入りぬれば、
信を喜ぶ身となりて、
やがて さとりの花開く 」 などと
訳されています。
煩悩を満たす、瞬間的な喜びではなく、
永遠に変わることない喜びを得ることが
出来ることを教えていただいているのです。
心から喜ぶ、途絶えることなく、
常に、身にも心にも喜ぶ事が出来る。
そして、その喜びを得た人を、
仏様と同じように貴い芬陀利華というと教えていただいています。
心の底から常に絶えることなく喜べるには、
お念仏の教えに出会うことしか得られないと
おっしゃっていただいています。
目先の瞬間、瞬間の短い喜びを、追い求めるか、
常に絶えることない、喜びを得るのか、
出来れば今年は、お念仏の教えに生きながら、
永遠の喜びを得たいものです。
妙念寺電話サービス、今年もよろしくお電話ください。
次回は、1月8日に新しい内容に変わります。
また、妙念寺のご正忌報恩講は、1月14日15日に
予定しています。ご予定ください。
( 平成10年 元旦 〜 第258回 )