意識革命
 
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
さて、これまで何度か、お医者さんが書かれたベストセラー
脳内革命のことをお話ししてきましたが、
今回その三冊目の意識革命という本が出ているのを見つけました。
 
昨年の11月から今年の5月まで、夕刊フジという新聞に
連載されたものを、一冊の本にまとめたものですが、
その時々に話題になった有名人や、世間をさわがせた事件などを、
お医者さんである春山先生が、医学的に見て、成功した例、
失敗した例を、診断し処方箋を加えられたものです。
 
それを読ませていただくと、私たちにとっては、
特別の事ではなく、浄土真宗で、日常的に実践して
来た、当たり前のことばかりのように読み取れました。
 
科学が進歩して、浄土真宗の人々がこれまで長い間、
実践してきたことのすべてを、医学的にも正しいことであると、
証明していただいているように、思えました。
 
その一つとして、現代のようなストレスの多い時代に
生き抜くには、それなりの工夫が必要である、
10分間でもいいから、毎朝瞑想することを勧めておられます。
 
ここを読むと、浄土真宗では、毎朝、正信偈のおつとめを、
もう五〇〇年も前から続けて来ました。
 
蓮如上人の時代から実践してきた、朝晩の正信偈のおつとめは、
まさしく、現代の医学者が推薦する、瞑想の一つの形でしょう。
 
毎日の勤行は、蓮如上人の単なる思いつきではなく、
ご自分で体験して、効果を確信して、儀式として
勧めせていただいたのでしょうが、現代の医学から見ても、
効果が大きいと証明されたようです。
 
また、現代は自律神経のバランスが壊れているので、
自律訓練法を、勧めてあります。
 
 
 
自分の手や自分の体を、訓練によって、言葉によって、
コントロールしようとの訓練法です。
 
この部分を読んでいるうちに、南無阿弥陀仏の念仏の
ことが思いあたりました。
 
ご門徒は、いつでもどこでも南無阿弥陀仏と称えることで、
人生の苦しみを、喜びに転化することを続けてこられたのでしょう。  
 
本堂でみんなそろってのお念仏で、お念仏の喜びとお念仏の有難さを
多くのご門徒が体験して自分のものとしていたのでしょう。
 
また、何事も前向きにとらえ、自分に起こる出来事を
素直に受け入れていくことや、自分中心の利益にこだわらず、
 
もっと大きな、多くの人びとの幸福のために努力することを
勧めておられますが、浄土真宗の浄土という理想の世界を
イメージして、現在の生き方を変化させることや。
 
将来、浄土で仏と同じさとりを得ると、そこに留まっているのではなく、
この迷いの世界に還り、衆生を救う働きを自由自在にできる。
 
最終の目的は、自己の利益でなく、阿弥陀如来と同じ働き、一切衆生を
漏れなく救うという理想です。
 
などなど、お釈迦さまが説かれて、二五〇〇年の間、

多くの仏教徒が、自分で体験的し、効果があることは分かっても、
科学ではなかなか説明できなかったことを、春山先生は見事に
証明していただいた感じがします。
 
この意識革命の本を読んで、二十一世紀は、
東洋の文化でなければ問題の解決は出来ないと、
こころ新たにしております。
妙念寺電話サービス、次回は9月4日に新しい内容にかわります。
 
 
                 ( 平成 9年 8月28日〜 第240回 )