彼の土を縦糸にし
 
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
春、四月、新しい出発の季節です。
この電話サービスも、内容を毎週変更してきましたが、
今回で、219回目、いつの間にか4年を経過して、
5年目に入っております。
どうぞ引きづつきよろしくお電話ください。
 
さて、このところ、親鸞聖人が、
これこそ真実のお経といわれる、大無量寿経の
お話しをしておりますが、今回もそのお話しです。
 
法蔵菩薩が、すべての人が、間違いなく救われる
理想の国を建立したいと、誓いを立てられた、48の願い。
 
この48の願いが完成した国に、
行くことができれば、すべての人は、
平等に本当の幸せを手に入れることができるのです。
 
その理想の国に行くにあたって、難しい条件や、
厳しい修行を必要としないとも誓われています。
 
ただ、法蔵菩薩の願いを信じて、お念仏している人は、
必ずその理想の浄土へ生まれることができるというのです。
 
その48の願いの前の方は、すでにお話ししましたので、
今回は、後半部分を見てみますと、第21願には、
この浄土に生まれると仏様と同じ体の特徴が
すべて身につくとあります。
 
それは、頭の形から、歯の形までさまざまな特徴が
ありますが、そのすべてが仏様と同じ特徴が備わると言います。    
 
また、つづいて、22願には、この迷いの世に
還相の菩薩として、戻って来て、悩み苦しむ人びとを
救う仏様の働きすることができる。
 
 
 
 
短い時間に、あるとあらゆる国々行くことができ、
さまざまな仏様の前で、供養するために望みの品を
思いのままに得ることができる。
 
金剛力士のような強靭な体を得られる。
 
思いのままに、真実の教えを説くことができる。
衣服が欲しいと思えば、思いのままにすぐ現れ、
仏のお心にかなった尊い衣服がおのずから身につき、
裁縫や染め直し、洗濯などをする必要もない。
と続きます。
 
これがお浄土に往生した私たちが、
 
得ることのできる姿であり、特徴であると言われます。
 
 ところで、大阪でお念仏の生活をしておられる、
榎本栄一さんに、こんな歌があります。
布を織るという歌です。
 
  私は一人の老職人 彼の土を縦糸にし この土を横糸にし 
  不思議な布を織っている
 
 と歌っておられます。
 
お浄土を縦糸にして、この娑婆世界を横糸にしての人生、
妙好人の浅原才市や、源左さんと同じ境地です。
この世の欲望に身をまかせた生活だけでなく、
 
やがて生まれさせていただくお浄土を喜びながら、
お念仏とともに生きて行きたいものです。
妙念寺電話サービス次回は、4月10日に新しい内容に変わります。
 
 
 
                       ( 平成 9年 4月 3日〜 第219回 )