第1284回 夢と希望と喜びを

平成29年 9月7日〜

 お隣のお寺の前坊守さまがご往生になって、五回目の中陰法要に
組内の坊守様を招いての法要が行われました。
そこで、こんなお話をさせていただきました。


 病気はマイナス・悪いこと 歳を取るのもマイナス。死ねば
すべてが無くなる。この発想、この価値観で生きている人は、
最悪の状態で、一生を終わっていくことになる。
これが現代の日本人の大半ではないでしょうか。

 親鸞聖人は、ご和讚に「本願力にあひぬぬれば むなしくすぐる人ぞなき・・・」
お念仏の教えに遇うことが出来れば、むなしい人生では無くなりますよ。
逆に言えば、お念仏の教えを知らずに、世間の価値観だけで生きていると
苦しい辛い人生で終わってしまいますよ、ということでしょう。・・・

 9月、夏休み後は、子どもが自から命を絶つことが一番多い時期だそうです。
そこで、いのちの教育をしています。いのちは大事、死んだらいけません。

死ねばすべてが無くなる。
これは子どもには言わねばならないことですが、70歳、80歳のよい大人までが、
いのちが終わったら、すべてが無くなると思っている。
そこで、どんな悪いことをしようと、怠けようが大丈夫だと

死ねば全部チャラになると、タカをくくって、ワガママな人生を送っている。

 お葬式が決勝点ではありません。その先に、まだ次の世界があるのだと
南無阿弥陀仏を口に生活している人は、お浄土に生まれ 仏になるとのだと、
気づかされれば人生はまるで違って見えてくるものです。

残り少ない人生ではなく、永遠の未来が広がり、希望が満ちてくる。

思い出してください、十代、二十代の青春時代、希望に満ちていました。
それはずっと続く未来があったからです。

お浄土がある人には、これから活躍出来る未来がある。期待され
待たれている世界がある。
それが むなしくない人生を得るということだと味わいます。


 お寺の目的は、住職や坊守さんの仕事は 一人でも多くの人が、この価値観、
南無阿弥陀仏の価値観に気づき、出遇っていただき、むなしくない喜び多い人生を
味わっていただくよう紹介し、お勧めすること、南無阿弥陀仏の価値観を

伝えることだと理解しています。ご縁のあるご門徒の一人でも多くに。

 ところが、国を上げて、健康が第一、いのちが大事、死んだら終わり、
多額の税金を使って教育し、テレビでコマーシャルを毎日流し、
南無阿弥陀仏の価値観と反対の情報ばかりが氾濫しています。


この現状に、この世間の価値観を超えた、南無阿弥陀仏の教えを伝えることは 
大変なこと、これは、国との闘いであり、日本の経済界全体との闘いですから。

 仏に成ると言うことは 自分の欲望を満たす為ではありません。
他の人の為、誰かの為に努力すること。
赤ちゃんを育てた方は、思い出してください。あの感覚だと思います。
一番大変だったけれども、喜びがあった、生き甲斐があったと思います。
誰かのために、努力する、仏になることは、自分のためではなく、
多くの人を救うため、お子さんを育てた方、理解できる喜びでしょう。

 例え 病気しようが、歳を取ろうが 命が終わろうと、
老病死の苦しみの中でも、喜びが味わえてくる。
そんな価値観、南無阿弥陀仏の価値観を
どうぞ、皆さまの力で、一人でも多く伝えてください。頼みますよと。

 これは、私が言うのではなく、阿弥陀さまが、そして、ひと月前に
亡くなられた、前坊守さまが、それに、お浄土に生まれて、
仏になられたご縁の多くの方々が、声をそろえて、仰っています。
南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏・どうか、この願いを、聞き開き、
ご活躍くださいますよう、頼みますと。

その願いを聞かせていただくのが、今回のご縁、阿弥陀さまの願い、
呼びかけに気づき、夢と希望と喜びを 南無阿弥陀仏を味わわせて
いただきたいものです。
どうか、皆さんの周りの人に、一人でも多く、豊かな人生があることを
ご紹介し、お勧めいただきたいものです。


          


           私も一言(伝言板)