第1281回 仏教への先入観 ②

 平成29年 8月17日~

 仏教壮年会でのお話 前回につづき 後半部分です。

四つめは 四苦八苦、仏が解決してくださるのは、

我々の苦しみを抜きさり、楽を与えていただく、慈悲のはたらきです。
抜苦与樂 慈悲のはたらきです。


 希望の物が手に入るということではありません。
求不得苦(ぐふとくく)求める物が 得られない苦しみ。

その苦しみを解決して、望みの物を与えていただくのでなく 人間の持つ
苦しみを 根本的に解決することのできる 智慧を与えていただくのです。
病気なら 病気のままに 歳を取って体が不自由になれば、その不自由な 
ままに 苦しみを転じて喜びへと導いてくださるのです。

苦悩を喜びに、転換させていただくのです。

 これは、南無阿弥陀仏を 口に、仏さまのはたらきをお聴聞することで
味わえてくる世界です。

一度や二度、聞いても 何十年育ててきた価値観はなかなか転換できません。
お聴聞を繰り返して 味わえるのです。

 五つめは いつ救われるか、将来のことか、浄土に生まれてから救われるのか。
インドの王舎城で、息子の王子に 牢獄に閉じ込められ、夫である王さまも

命尽きようとするとき、王妃である韋提希が、お釈迦さまに 救いを求めました。
この王妃 韋提希のために説かれたのが 浄土三部経の一つ

「観無量寿経」なのです。

 お釈迦さまは、牢獄から韋提希や王を 助け出すのではなく、牢獄に
いるままで 救われる教えを説かれました。
韋提希は お浄土の姿を拝見し、喜びを得たのです。
将来の喜びではなく、今、ここで、そのままに救われるそれが、

お釈迦さまが説かれたお念仏の教えです。 

 仏さまのお話を聞き  南無阿弥陀仏と口にすることで、 苦しみを抜本的に
解決して いただける教えなのです。
仏教で説かれている救いは、現代の常識と大きく違っています。
どうか、今まで持っている仏教の価値観を捨てて 繰り返し仏さまのお話を
聴聞し、お念仏を口にし、耳に聞く生活を始めると、新たな喜びの世界が
開けてくるのです。

 南無阿弥陀仏の教えは、最も単純で、しかし、もっとも難しい教えですが
お念仏の生活をすると ものの真実が見えてきて、いかに 多くの力に

支えられ生かされている自分であるかが、感じられてきて、素晴らし人生を
歩ませていただいている、感動と喜びが与えられる教えです。

 南無阿弥陀仏の教を 味わうには、

仏教の教えは 一つではない ② 普通の常識と まるで違う
③ みんなが 救われる、 ④ 四苦八苦を 抜本的に解決する。
   そして、将来ではなく、 今ここで救われる教えです。

 どうか 南無阿弥陀仏に出遇ってほしい それには お聴聞しかない
繰り返し 繰り返し仏さまの話を聞いて欲しいお聴聞してほしいと 
願われているのです。


   壮年会でのお話 2回に別けてご紹介しました。


          


           私も一言(伝言板)