第1245回 空蝉の家

 平成28年 12月8日~

 今年、平成28年の日本作詩大賞は 田久保真見さんの
「空蝉の家」が受賞しました。

堀内孝雄さんの作曲で、現代社会を的確にとらえた、すばらしい作品でした。

それは、こんな内容です。

 降りしきるしぐれ 今年も暑いと言いながら
 住む人もいなくなった 生まれた家を売りにきた
 ためらいながら息を飲んで カチャリと鍵を開けたとき
 こみあげたものは なんだろう
 なつかしさと やるせなさと

 命の限りに 蝉が鳴く
 命の限りに 生きてきた
 昭和の時代が そのままに 残るこの部屋

 日に焼けた畳に あぐらをかいて
 不意に涙ぐむ 空が青すぎる

 ギシギシと音がする 廊下を歩けば台所
 朝メシの有り難さも 知らずにいつも食わないで
 味噌汁だけは飲みなさいと おふくろの声思い出す
 無口なオヤジの 咳ばらい ひとつ
 なつかしさと やるせなさと

 命を尽くして 蝉が鳴く
 命を尽くして 生きてゆく
 昭和に生まれた 不器用さ そっとしのんで

 庭先に転がる 蝉の抜け殻
 そうかこの家も 時の抜け殻か
 そうかこの家も 時の抜け殻か

    リンクコードhttp://www.uta-net.com/movie/206673/

 親たちは田舎に 子どもは仕事がある都会に 親と子が一緒に住めなくなった現代。
親たちが亡くなると 空き家になるケースをたびたび見うけます。

 ところで、お仏壇は どうしたのか、都会の家には大きすぎか。
子どもはすでに 小さなお仏壇を持っているのか。
「お参りしてから出かけなさい」親の言葉を思い出し 
お仏壇の前に座り 南無阿弥陀仏を口にするとき、

親の思い 親の願いに気づかされるものです。

 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏は 「今を大事に生きなさい
心配いらない、大丈夫 母さんは 今も見守り 
応援しているから、安心して生きていきなさい」との よびかけだと

味わえるものです。

そう、恥ずかしくない充実した毎日を・・・・


         


           私も一言(伝言板)