第1219回 オキシトシン

平成28年 6月9日〜

便利な世の中になりました。
テレビの番組表を使って録画予約し、好きな時間に、早い速度にして視聴しています。
そんな中に、身体の痛みを軽減させ、血圧を下げ、認知症も改善する方法があるという
番組がありました。「ガッテン」という色々な実験を通して、証明していく番組です。


 まず、フランスの街角で若い女性に電話番号を聞き出す実験からスタートしました。
知らない人とは、なかなか電話番号の交換はできませんが、あることをすると
女性から電話番号を聞き出すことが出来たとの実験です。

ただ声を掛けるだけではなく、ちょっと、腕に触れて会話すると親近感や安心感からか、
成功するケースが、多かったというのです。

 また、リウマチで両手の指が腫れ、足も痛くて歩けない人に、背中をやさしく
マッサージすること十分間、痛みを感じなくなり、歩くことが出来たとの実験もありました。


認知症で暴言を吐いたり、暴力を振るう症状があったお婆ちゃんに、娘さんが両手を
やさしくマッサージをすることを、繰り返していると、やがて子どもを受け入れ、
有り難うと感謝の言葉まで出る優しさが取り戻すことができたなど、身体を触れあうことで、
オキシトシンというホルモンが大量に分泌して、症状が改善していくことを映し出していました。


人間ばかりでは無く、猿たちも毛繕いやハグなど触れあうことで群れの秩序を
保っているのだということです。


また、こんな実験もありました。十代の少女、60人余りに大勢の前でスピーチをさせて、
大きなストレスを与え、終わった後、舞台の袖で母親が迎えハグすると、このオキシトシンが
大量に分泌するといいます。

その場で直接母親に触れなくても、電話をかけて母親と会話するだけでも、大きな効果が
あるというのです。


 ところで、一人住まいの人は、誰かと直接触れあうことはできませんが、ロボットを
研究する学者の実験では、人型をした抱き枕のような物に触れているだけでもストレスは
和らげられ、幸せ感を感じられる物質、オキシトシンは充分に分泌するとの実験もありました。


それに加えて、その人型のマクラに触れながら、かわいい孫と電話で会話することで、
もっと大きな効果がることも証明していました。

直接触れるばかりでは無く、耳から入る情報によって、ストレスを緩和し、喜びを与える
ホルモンが、分泌してくるとのことでした。



 この番組を見ながら、「南無阿弥陀仏」を聞くことは、身体の中に大きな変化が
起こっているのだと感じました。


あなたのことを救わねばおかない、一人子のようにいつも見守っているよと呼び続ける阿弥陀さま、
そのはたらきを信じている人にとっては、南無阿弥陀仏を聞くことは、母親や愛する人、
かわいい孫との会話と同じような効果があることでしょう。


そして、手を合わせ、自分の手の温もり、血液の流れを感じられたとき、一人でいても、
大切な人と触れあっている状態とまったく同じ現象が起こっていることでしょう。

 南無阿弥陀仏をいつも口にし、耳に聞く人が穏やかで、喜び多い人生を味わっておられるのは、
きっと身体の中でこうした大きな変化が起こっているからなのでしょう。


 また、誰かにために親切にしたり、料理を作ってあげたり、人を喜ばせる、利他的な
行動をするときも同じような変化がおこるとのことです。


 やがて仏になり、すべてのものを救うはたらきが出来る。いま、仏の仲間、報謝の行動が
出来ることも、実は、精神的ばかりでは無く、肉体の中でも、ホルモンが出て、
幸せ感を作り出しているのだろうと、納得しました。

昔お婆ちゃん方が いそいそと、お寺の法座に出かけておられたのも、そうしたはたらきが
あったからなのでしょう。


耳から聞こえる南無阿弥陀仏を、今日も聞かせていただくことで、精神的にも、
肉体的にも、喜び多い一日を送らせていただきたいものです。


         


           私も一言(伝言板)