第1210回 手を合わすご本尊は ?

 平成28年 4月7日〜

巡番報恩講の季節ですが、あるご講師の先生から、
こんな話を聞きました。

 貴方は、宗教をお持ちですかと尋ねると、自分は宗教を持たない、
無宗教である、宗教心を持たないと答える方が非常に多いものです。

中には、いえ、自分は、浄土真宗で、お念仏の教えを信じています。
お彼岸、お盆、ちゃんとお墓参りをしますし、本堂での法座にも
お参りしていますとおっしゃる方もあります。

 しかし、その方とお話をしていると、どうもご本尊の後に
もう一つご本尊を隠し持っておられる方が意外と多いように
感じるとのお話です。

 浄土真宗ですからご本尊は 阿弥陀さまですと、おっしゃっている方でも、
実は、本人も意識しないうちに、別のご本尊を崇拝しておられる方が
沢山おられるのではないかと。

 その宗教は、日本で一番多い信者をもつ宗教であるといいます。
選挙が近づくと、おおいに活躍される実在の宗教団体のことではなく
本人は意識しないうちに信者となり、朝から晩まで、中には寝ている間も
ちゃんと信仰する熱心な方が多いのだといいます。

その宗教のご本尊は、何かというと、それは「お金」であるというのです。
お金、お札を信仰する人たちです。
そのご本尊を納めているのはお仏壇ではなく、金庫の中に大事に、
大事にしまわれている。

仏教の場合は、お経さんを手にしてお参りしますが、お経の本は、貯金通帳。
お参りの時には、お念珠を手に持ちますが、その信者さんのお念珠は 

印鑑だったり、カードだったりします。

この宗教では、お金になることが 良いことで、お金にならないことは
良くないこと。
何でもお金が判断の基準になっている。
お金になることならば、少々間違ったことでも、良いことになってしまう。

このお話を聞きながら、ことによると、これは他人ごとではないように
思えてきました。
意識しないうちに、気づかないうちに、判断の基準がお金の価値観に
経済的な価値観が中心になっているのではないかと、反省させられます。

 自分の幸せより、すべての人々の幸せを願われる仏さま、阿弥陀如来が
ご本尊であり、南無阿弥陀仏と今 現に はたらきかけておられる
阿弥陀さまのことを思い、南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏を口にしながら
間違ったご本尊を崇拝してはいないのかと、今一度 思い返して
みたいものです。

貴方のご本尊は 阿弥陀さまですかそれとも、他のご本尊を拝んで
おられますか。

         


           私も一言(伝言板)